前回の記事に追記
鵞足炎とは
変形性膝関節症やスポーツ膝障害として好発する疾患。しかしその発生機序は異なる。
膝OAでは膝内反+下腿内旋 スポーツ障害膝では膝外反+下腿外旋のアライメント
→ニーイン&トゥイン Q Angleが増大し膝蓋骨の外側への不安定性が強くなる。
Q角
膝蓋骨の中心と脛骨粗面を結んだ線⇔大腿直筋の長軸線 ⇒ 正常20~30度
Q角が大きくなると外側不安定が増し膝前面痛症候群が生じやすい(脂肪体のインピンジなど)
膝蓋骨外側不安定性の素因
骨性要因
・大腿骨外側顆の低形成 ・膝蓋骨高位(四頭筋の柔軟性低下)
・脛骨粗面の外方偏移(脛骨外旋) ・下肢アライメント異常(大腿骨頸部の過前捻)
軟部組織性の要因
・全身弛緩性 ・内側膝蓋大腿靭帯の弛緩や断裂
・内側広筋の機能不全 ・外側組織のstiffness (外側広筋、腸脛靭帯、外側膝蓋支帯)
鵞足筋腱と鵞足包や鵞足付着部への繰り返される摩擦or伸張ストレスが原因となる。
共通所見は鵞足部の圧痛と鵞足を構成する筋肉の伸張痛
鵞足を構成する筋肉
薄筋、半腱様筋、縫工筋
→上記の筋を伸張させることで鵞足炎の鑑別テストとなる。
薄筋
股関節外転+軽度伸展(非検査側は股外転固定すると◎)
半腱様筋
股関節屈曲+内転(非検査側は股内転固定すると◎)
縫工筋
股関節内転+軽度伸展(非検査側は股外転固定すると◎)
この姿勢から膝屈曲→伸展を行い疼痛が生じれば陽性。
鑑別テストは1つの筋のテスト肢位をとるとほかの筋が弛緩するため鑑別となる。
鵞足炎を生じている人と生じていない人を比較する研究では鵞足炎を生じている人は荷重時に大腿骨が脛骨に対して内側へ偏移していたとされている。この内側偏移により鵞足筋に対して繰り返し圧迫ストレスが加えられ疼痛が生じると考えられる。
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