メディカルリハビリテーション
メディカルリハビリが第一選択である。
主な内容
- 大腿四頭筋や腸腰筋などの大腿前面のストレッチ
- ハムストリングスや下腿三頭筋のストレッチ
- 筋力強化練習
→着地では膝伸筋の遠心性収縮とハムストリングスの収縮で衝撃を吸収すると考え大腿四頭筋筋力やハムストリングスと大腿四頭筋の筋力比の不均衡がないようにする。大腿四頭筋の遠心性収縮を用いたエクササイズが重要とする文献がある。(ドロップスクワットなど)
中止基準
- 大腿四頭筋や膝蓋腱に強いけん引ストレスがかかるメニューは中止すべきである。
- 圧痛が強い場合には膝前面を床につけるメニューは実施しない。
アスレチックリハビリテーション
関節可動域や静的な筋力が戻り次第実施するべき。
主な内容
特に矢状面の身体アライメントコントロールの習得
→重心が後方に移動することによって膝伸展モーメントが大きくなり膝蓋腱に加わる力が大きくなる。
重心が後方に移動しやすい原因は胸椎の後弯、足関節背屈不足、股関節の屈曲不足があげられる。
胸椎の後弯は肩甲骨外転により引き起こされることがあるため菱形筋や僧帽筋中部繊維のエクササイズも必要である。
殿筋やハムストリングスの機能低下→着地での股関節屈曲減少→股関節でのエネルギー吸収が困難→膝屈曲と前方移動によってエネルギー吸収をする。→後方重心で膝伸展モーメント増大。股関節伸筋群の遠心性収縮エクササイズが必要(デッドリフトなど)
重心の前方化を意識するために足後方を出してステッパーを用いる。
ステッパーやスクワットで疼痛がなければランニングを開始する。
→後方重心の有無、胸椎アライメント、トレンデレンブルグ徴候の有無を確認しながら実施していく。
中止基準
関節可動域や筋力が不足しており動作に代償が生じる場合には新たな障害につながる恐れがあるためメディカルリハビリにステップダウンすることが必要である。
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