治癒過程
- 炎症期(約10日間)
- 増殖期(4~8週)
- 成熟期(約1年)
競技復帰後も長期間にわたって続くことに留意が必要。
- 急性期
腫脹、安静時痛、熱感、発赤 - 亜急性期
腫脹が残存。安静時痛が軽減。
→炎症が軽減していると判断し亜急性期とする。 - 回復期
歩行時痛、腫脹が改善した状態。 - 復帰準備期
ジョギングを開始
時期ごとの治療の進め方
- 急性期
RICE処置、患部へのストレス軽減のため免荷、シーネなどで固定、消炎鎮痛薬。
受傷時に末梢血管の損傷も伴うことからRICE処置が重要。受傷5日くらいまでは特に再出血が起こりやすいため挙上、アイシング(2時間で20分程度)を続ける。
受傷直後から可動域を保つ機能的リハビリテーションが有用とされている。→管理下(リハビリ中など)では組織損傷に配慮しつつ機能回復を目的としたリハを行う。初期固定による不動で筋と皮下組織、皮膚の癒着が生じやすいため早期からの介入が重要。
- 亜急性期
腫脹軽減、機能低下防止を目的に物理療法(交代浴や超音波など)や軽い運動療法。
足趾などの下肢の筋収縮を行い、下肢の血流改善を図る。この時原則として足関節は中間位または軽度背屈位(10度以上の足底屈はATFLを伸長するため禁忌)。例)タオルギャザーや等尺性収縮など。
運動後はアイシングを行う。 - 回復期
1.足関節中間位での他動背屈、底屈を獲得する。(理想的なアライメントでの他動関節運動を獲得を目的に介入する。)
背屈
距骨の後方移動と前方のインピンジの改善が重要。①アキレス腱と脛骨内側の皮膚の癒着、②下腿三頭筋と深部屈筋群間の滑走不全、③屈筋支帯の癒着→組織間リリース、足趾運動などを行う。
他動背屈での内反している場合は距骨後方移動制限があると考えられる。
底屈
6週間程度は20度以上の底屈や内がえしは行わない。①前脛骨筋腱と関節包の癒着、②伸筋支帯と皮膚の癒着→組織間リリース、足趾運動(足趾屈曲+背屈+内外転)
下腿外旋→足部回外でアライメント不良になるためまずは下腿外旋アライメントの改善が必要。→股関節外旋筋の強化、外側ハムストリングスなどの柔軟性獲得。
2.理想的なアライメントと可動域を保つ筋機能獲得を目的に介入する。
knee-out スクワット
背屈に伴った距骨内旋を促し、股関節外旋筋と膝関節内旋筋の協調性の獲得を目指す。
足趾伸展・開排でのスクワット
足趾屈筋群が緊張(windlass機構)し足部アーチ(truss機構)を保持する練習。
足趾伸展・開排でのヒールレイズ
底屈での足部安定と外側重心の改善を目的として行う。 - 復帰準備期
直線でのランニング時の疼痛消失によって開始。直線でトップスピードまで可能であればスラロームやカッティング、ストップ動作を織り交ぜた動作練習を取り入れる。理想の動的アライメントであるか確認を行う。